明日の空は何色だ

作家を目指し幾星霜。物書きの雑記ブログ。

タレント

あんまり早く寝ると四時起きとかになって辛いので、早く寝すぎないようにしている。毎晩夜は眠い。夜が消費するだけの時間になって辛い。あと1時間は起きていなくてはならない。小説も事典も漫画も、読む気にならない。空腹なのに食べたくないのは、自罰のような気がしている。いい夢が見たい。ここのところ魘されてばかりいる。オレンジと黒が混ざった色のコブラが出てきたときは怖かった。牙に毒のある、凶暴な大蛇だった。近くにいる人は助けてくれず「気を付けてね」と言ってきた。

 

昼間外に出て見ると、田の青さに目を焼かれる。太陽が青を漂白し、雲間はぼんやりと霞んでいる。

育ってきた町の夏は、生ぬるかった。風はいつだって涼しく、太陽とアスファルトに挟まれる息苦しさに苛まれることはない。空は群青の季節だった。

 

狂喜するはずの言葉に鈍く反応する朝。眠気と緊張を行き来する昼。見返して気づく宵。義務のように訪れる夜。エアコンのタイマーが切れる真夜中。

日周運動に季節が移ろい、月がだんだん高度を上げていく。

今、目の下のクマがひどい。顔はいつまでも生白く、身体は夏の太陽に負けてしまう。影に逃がしてほしい。もう誰も私を見つけてほしくないのに、心の底から好ましい視線を欲している。

 

判断力の鈍った時に、人とやりとりはしたくない。嫌なところが露呈するから。

そうはいっても、自分の才能に自身が蝕まれる病を知らない人とは、長いこと会話をしない方がいい。近づきすぎなければいいだけ。仮面の笑顔だけ交わしましょう。時折素肌を見せましょう。上手な距離感をいつもいつも掴めない。

 

突然やってきた空白を埋めるために、空想や物書きを始めたと思っている。私にはもともとそういう性質があったから、隙間を埋めるためにその手段を取った。

もし「空白」がやってこなければ、私は空想も物書きも始めなかったかもしれない。

 

それならば、それでもいい。

 

でも、たった今この瞬間の私は「空白」がやってきた分岐の上にいる。記憶は逆巻くが、時間は戻らない。

神になれない私は、惨めに人間を続ける。しがない才能と下向きの睫毛をアスファルトに晒して。