明日の空は何色だ

作家を目指し幾星霜。物書きの雑記ブログ。

隙あらば語るオタク~エドワード・ゴーリー編

今日も気温が低かったが、雨がなかったので昨日よりも体調が良かった。たっぷり9時間睡眠して、悪夢も見ず、多少すっきりした。

 

ベタを飼い始めて3日。1週間もせずに死んでしまうこともあるそうで、そわそわする。今のところ元気に泳いでくれているけど……。とにかく観察と勉強だ。動画をいくつか見た。生き物なので当たり前だが、動画投稿主によって(大体熱帯魚ショップの方がやっている)意見が違う。「水替え」というトピックでも、必ず複数見るようにしている。

こうして書いている最中も、様子を見ずにはいられない。かわいい。

 

今週のお題は「本棚の中身」。私は比較的本が好きで、積読してしまうが、軽率に購入する。部屋の一部を本棚にしているが、おさまりきらずに平積みになっている。

高校生のときまでに買った本は小説が多い。大学生になってからは民話集、漫画、民俗学の本が増えている。小説を書くに比例して小説を読むのが苦手になってしまい、あまり読まなくなった。代わりに、ネタの宝庫である研究書が好きになったのだった。

 

あまりコレクション癖はないが、ちょびちょび買い集めて本棚を占めているのがエドワード・ゴーリーの絵本だ。

pdmagazine.jp

 

「大人の絵本」と言われる数々の作品は不条理・残酷にあふれ、人によっては顔をしかめる内容だ。私はナンセンスなものが好きだが、原点はここのように思う。子供たちが理不尽に死んだり、不穏な室内が淡々と描かれたりする。絵の筆致はこまやかで、奇妙な生物には怖さと愛嬌が同居しており、とにかく独特だ。ムーミンの作者であるトーベヤンソンも影響を受けたらしい。

 

初めて出会ったときの衝撃を、今でも忘れられない。

立ち読みだった。『おぞましい二人』という作品。

あらすじは(ネタバレ?)世間の影でぼそぼそ生きてきた夫婦が、ある日子供を誘拐して殺し、獄中で死ぬまでの物語。手に取ったきっかけは、類似の事件が世間をにぎわせていたからだった。

 

衝撃を受けたのは、初めて子供を殺したシーンをめくった後。描かれていたのは、夫婦が朝食をとる風景とそのメニューだった。

雷が落ちたような感覚で、しばらく呆然としていた。殺人に及んだ人間の、次の日の朝食。惨殺に及んでいながら、それがまるで日常の一部であるように振る舞うことにより浮彫になる狂気。ほんとうにこわいことは、当たり前のような顔をしている。絵と少ない文章で、真理を突き刺されたような気分になった。

 

とはいえ、絵本の奥にはいつも温かな人間愛が感じられる。分からないことだらけの世の中で、誰も教えてくれない生きるためのヒントを、そっと教えてくれるような優しさがある。ように思う。

 

柴田元幸さんによる翻訳・あとがきも気持ちよく、原文と合わせて載せられているので訳の見事さにうむむと唸りながら読むのも楽しい。

 

本屋さんで見つけて、「限定しおりつき!」で売られていると、ついつい買ってしまう。その時困るのが、何を持っているか分からなくなることだ。内容を見てから、今1番ほしいものを買うのだが、これ自分の本棚にもうあるやつかな……?と首をひねる。ほんとに好きなのか?と自分が残念になる瞬間だが、ちゃんと持っていないものを買えているのでまあ今のところ大丈夫だ。

 

お約束だが、こうして書いていると読みたくなる。明日の朝はエドワード・ゴーリーで決まりだ。